拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、腎臓病と栄養・代謝・食事フォーラム2024は、令和6年3月23日(土)に日経ホールにて開催される運びとなりました。本フォーラムには、医師、管理栄養士をはじめ、学生、患者さんなど、毎年多くの皆様にご参加をいただいております。
超高齢社会において健康寿命の延伸および医療費抑制のために、厚労省は腎疾患対策の目標として「CKD重症化予防を徹底するとともに、CKD患者のQOLの維持向上を図ること」、また、「2028年までに年間新規透析導入患者数を35,000人以下に減少させる」という成果目標を掲げました。しかし、現在も新規透析導入患者数は40,000人以上にのぼり、透析患者数は増加の一途にあります。そこで、CKDにおいてサルコペニア、フレイル、栄養障害のリスクに配慮しつつ、効果的な食事療法を広く正しく普及することが喫緊の課題となっております。
こうした状況を踏まえ、今回の大会では、大谷晴久先生(紀泉KDクリニック)にCKDにおける低たんぱく食療法の有効性と安全性について特別講演をお願いしました。また、上月正博先生(山形県立保健医療大学理事長・学長)にCKDにおける腎臓リハビリテーションの意義と効果について教育講演をお願いしました。さらに、CKDの効果的な食事療法の普及に向けて、低たんぱく食療法を実践してこられた医師、管理栄養士、患者さんにご発表いただくシンポジウムを企画しました。シンポジストは安田隆医師(吉祥寺あさひ病院副院長・腎臓内科)、海発咲子管理栄養士(長岡赤十字病院 栄養課)、患者さんの立場から佐野川三央子さんにお願いしました。佐野川さんはCKD保存期に0.5g/kg/day未満の厳しい低たんぱく食療法を6年以上実行した経験から、透析導入後も低たんぱく食療法の普及に取り組んでこられました。現在透析歴14年以上になりますが、大変お元気に過ごしていらっしゃいます。 厳しい低たんぱく食療法を実践された患者さんの透析導入後の予後が懸念されておりますが、佐野川さんのご発表を通して多くの医療従事者や患者さんが感銘を受け、力をいただけるものと期待しております。
一般演題につきましては、腎臓病と栄養、代謝、食事療法に関する演題を基礎・臨床、保存期・透析期を問わず広く募集いたします。奮ってのご応募を是非お願い申し上げます。
多くの皆様にご参加いただき、実りある大会となりますよう心より願っております。
敬具
2023年11月吉日
腎臓病と栄養・代謝・食事フォーラム2024
大会長 島居 美幸
昭和大学大学院 保健医療学研究科、昭和大学病院 栄養科