この度、第16回腎臓病と栄養・代謝・食事フォーラム2025の大会長を拝命いたしました神奈川工科大学健康医療科学部管理栄養学科の菅野丈夫です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 慢性腎臓病の低たんぱく食療法の効果につきましてはこれまで多くの研究が行われ、その結果KDOQIでも日本腎臓学会でもその効果が認められ低たんぱく食療法の実行が推奨されています。しかし一方で、十分なエネルギーの確保が難しい、指示たんぱく質量が遵守できずアドヒアランス上の課題がある、栄養状態の低下が懸念されるなどの指摘があります。これはひとえに正しい食事療法が実践されていないことに起因すると考えております。

 そこで今回のテーマを“正しい食事療法の普及に向けて”としました。そして、それを実践するうえで不可欠な「低たんぱく食品の利用」と「栄養摂取量の正確な評価法」の2つの問題をパネルディスカッションのテーマとしました。また、近年注目を集めています腸内細菌叢と慢性腎臓病との関連について東北大学大学院の阿部高明先生にご講演頂くことになりました。そして一般演題でもさまざまな観点からの研究報告がなされ、熱いディスカッションが行われることを期待しています。

 3月末の何かと忙しい時期の開催ではありますが、医師、管理栄養士のみならず、この領域で活躍されている看護師、薬剤師、理学療法士など多くの方々の参加もお願いしたいと思います。実り多いフォーラムとなりますよう鋭意努力して参りますので、皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げます。

第16回腎臓病と栄養・代謝・食事フォーラム2025大会長
菅野丈夫(神奈川工科大学健康医療科学部管理栄養学科)